2015年1月31日土曜日

残り12時間!


「なんか役に立つの?」
「それやる意味あるの?」
「自己満足じゃないの?」

 これは最近、コアメンバーの一人がリーマンサット・プロジェクト(仮)のことを奥さまに話した時の反応である。宇宙好きからすれば「このロマンをなぜ理解してくれないのか!?」「宇宙がいかに雄大で尊い存在であるのかみんなわかっていない!」などとやりきれない気分になるところだろう。
 しかしこれが「現状」だ。多くの人にとって宇宙は縁遠い存在である。

 1月末KICK OFFミーティングの事前打ち合わせのために集まったぼくらは毎度のごとく頭を悩ませていた。ミーティングの内容についてはなんとか固まったものの、相変わらずプロジェクトを進めるために考えなくてはいけないことが山積みである。
大きな問題の一つは「どうやって多くの人を巻き込むのか」である。このプロジェクトには人手が必要だ。みんな本業の傍らでやっているから一人一人の時間的キャパシティは限られている。さらに、ぼくらは素人集団なのでたくさんの人から知恵を集めなくては物事が進まない。「宇宙のことを知らんやつはほっといて勝手にやる」とはいかないのである。そもそもこのプロジェクトのコンセプトに「宇宙好きの人はもちろん、宇宙に興味がない人、友人や家族をも巻き込んで」というのがあるので、宇宙に関係ない人をいかに引き付けるかは大変重要な要素なのだ。しかしそれが大きな問題。なにしろ、一般人にとって「宇宙に対する印象」は冒頭のそれだ。

 では、この問題をどう解決するか。それには「ミッションをいかに身近なものと関連づけるか」が鍵だと思っている。宇宙とか関係なしに、「それおもしろい」と思ってもらえるようにする。そのために必要なことはシンプルでわかりやすく、そしておバカであること。

おバカってなんだよ、と思うかもしれないが、それはこのプロジェクトの始まりと反響から来ている。このプロジェクトのお披露目は201411月のメイカーフェア。「半分くらい掃ければよし。残りは今後の宣伝用」と考えて200枚ほど作ったポスターカードは一日目に半分以上掃けてしまい、メイカーフェアが終わったときには余りがなくなってしまった。おまけにキックオフミーティングである。「参加者は多くても10人くらいだろう」というぼくらの予想を大きく上回り、参加希望者はなんと想定の倍の約20名。

『「素人たちが集まって二年以内に人工衛星を打ち上げる」なんてバカげている(でも面白そう)』

と思ってくれた方が大勢いらっしゃる結果であると思う。もし「宇宙開発の専門家が5年かけて衛星ビジネスを立ち上げます」だったらこれほど興味を持ってもらえてはいなかったはずである。リーマンサットは、誰でも参加できるという気軽さと、そして通常考えると誰もやりそうもないアホさが(良い意味で)インパクトになって、多くの人が興味を持って下さったのだと考えている。

 ということで、

・わかりやすく
・身近で
・「おバカ」であること

 これがぼくらのミッションの方向性である。このコンセプトを元に、ミッション案を考えていくこと。そして一人でも多くの人に

「なんかバカなことやってるけど、面白そうだから手助けしてやるか」

 と思ってもらうことが今の方針だ。


 さしあたってみなさまにはぼくらのことを今後とも末長く、生暖かい目で見守って頂きたいと思っている。

2015年1月24日土曜日

やってみるからこそ、何かが見える!




「さあ、困った……」

 いつものように都内某所へリーマン・サット(仮)のコアメンバーが集結したはいいものの、2015年年初からぼくらは早速頭を悩ませていた。
 月末に開催するKick Off ミーティングのスケジュールが決まらないのだ……。

 もちろん、おおまかなスケジュールは年末に決めてある。流れとしては「目標や方向性とおおざっぱなスケジュールの確認、それから衛星を打ち上げるのに必要な概要の共有、各メンバーの自己紹介、みたいな感じ?」といったところ。しかし、これだけだと一時間程度で終わってしまう。できれば、ミーティングに参加してくれる方たちがどういった意見や要望をもっているのか、みんなで今後どんなふうにやっていくかしっかりと話をしたい。

 そこで問題になるのが、どうやってその意見や要望を引き出すか、である。参加者はぼくらを含めて約20名、「さあ、思っていることを言いましょう」としたら収集がつかなくなること請け合いである。もちろん、ミーティングの後の段階についてもある程度決めておかなくてはならない。

 しかし、現時点ではプロジェクトにおける課題の中心となる衛星制作や調達物のスケジュールを決めることができない。なぜならば、作成する衛星のコンセプトがかっちり固まっていないから。正確に言うならば「決めていないから」だ。この部分は、今集まっているコアメンバーだけではなく、今後参加してくれるであろうメンバーの人たちから意見を募って、みんなで決めたい。

 というのも、このリーマン・サット()というプロジェクトを立ち上げた意義の一つに「現状の宇宙開発における閉塞感を打破する」ということがある。一般社会から見て「宇宙開発」と言うと、小惑星探査機「はやぶさ」の活躍など、以前と比べて身近にはなっているものの、以前として宇宙ステーション、気象衛星、通信衛星など、どうしても公的で生活からは縁遠いイメージになりがちだ。しかし、超小型衛星ならば民間でも打ち上げることが可能になっている等、技術的には気軽な面も大きくなってきている。ぼくらはその「気軽・身近、民間でもできる」という部分にフォーカスして、宇宙開発の世界をもっと広げていきたいと思っている。そして、そのためにはこれまでの「宇宙が大好きで宇宙開発にとても興味のある人『だけ』」でやるのではなく、「ちょっとだけだけど宇宙に興味を持っている人」、もっと言うと「宇宙開発なんて興味ない人」までも巻き込んで、宇宙開発に携わる人自体を増やしていく必要がある。

 現状一番の問題は「どうやって人を巻き込むか」である。この部分は一番難しいけれど、ぼくらが最も大切にしたいことの一つだ。そこでぼくらは方針として「宇宙開発に関係ない人、それこそ家族や友人など、身近な人を巻き込む」というのをあげており、打ち上げる衛星のコンセプトとしてはこの方針を土台に決める必要があると思っている。

「それならば今回のKick Off ミーティングで、みんなでコンセプトについて話し合おう」となったはいいが、ではどうやって意見を募るか、アイデアを出し合うか、という部分がなかなか決まらないのである……。そもそも「参加してくれる方々の要望もざっくりと簡単にで構わないから事前に知っておかなくてはいけないんじゃないか」と、何故そこを調べていないのか! などと段取りがなっていないことを今になって認識したりもする。

年初の打ち合わせでは「まずこのメンバーで一人一人コンセプト案を考えて、Kick Off ミーティング前にもう一度打ち合わせをしよう」ということになって解散、このプロジェクトを成功させるには、ぼくらだけで進めるのは困難で、たくさんの人の力が必要だ、ということを改めて感じた次第である。

 なので、どうかみなさんの力をこのプロジェクトにお貸しください。


 よろしくお願いします(本当にお願いします)。

2015年1月8日木曜日

1/31(土) RYMAN SAT KICK OFF開催について 





お待たせいたしました!
会場が決まりましたので、RYMAN SAT KICK OFF ミィーティングを開催いたします。

会場の関係で先着15名までとさせていただきますので、
ご参加希望の方は下記へご連絡ください。

*****************************
日時: 1月31日(土) 13時~16時

開催場所:コワーキングスペース茅場町 Co-Edo
       >> アクセスはこちら

参加費:1,000円(1日利用料)
※個別利用のため、コワーキングスペース受付にてお支払いください。

参加方法について:
参加希望の方はこちらからご連絡、
またはFacebook pageより事前にご連絡願います。

当日連絡先: 090-6654-1473
*****************************

以上です。

RYMAN SATはゼロからのスタートです。
宇宙開発に関わりたい熱意がある方、大歓迎!!

様々なバックグラウンドを持った方々とお会いできることを
心より楽しみにしております。


2015年1月6日火曜日

明けましておめでとうございます! 2015年のリーマンサット始動

「どうしましょう……」  寒さと仕事に追われる師走のある日、都内某所にリーマンサット・プロジェクト(仮)のコアメンバーが集結した。  

何をするのか、それは言わずもがな「Kick Offミーティング」についての打ち合わせである。

※写真は勉強のため、訪れた宇宙展の展示物

 
 11月のメイカーフェアで 「年明け(2015/Jan/E)にはKick Offミーティングを開催する予定」 と、大々的に発表したまではいいものの、状態として「現状、何も決まってない」。 (2014年年末)
さしあたり、スケジュールはおろか、どんなものを打ち上げるか、どこで打ち上げるのか、 などなどなど、決めなくてはいけないことは盛りだくさん
(というか何も決まってないので、決めなくてはいけないことばかりだ)。
さすがにこんな状態で「さあ、Kick Offミーティング!」と行ってしまえば、何の収穫もなく引き続き何も決まっていない状態を維持すること請け合いである。
 なんとしてもそれは避けたい、少しでも前に進めなければならない。

 まずはプロジェクトについて方向性の擦り合わせ。リーマン・サット(仮)という名の通り、 このプロジェクト以外に本業があるメンバーが集まっているわけだから、人的資源、工数を必要最小限にした上で、広く分配していく必要がある。
それから、ぼくらは専門家ではないので外部から知恵や知識を借りることはもちろん、自分たちで宇宙工学や宇宙事業について学び、 そしてそれをプロジェクトに関わってくれる人たち全体に共有していかなくてはならない。

そんなことを念頭に置きながら、決まった方向性は以下の通り。

 ・とにかく2年以内に打ち上げる
 ・打ち上げるのは超小型衛星
 ・情報は可能な限りオープンにして、広く協力者を集める
 ・宇宙やこのプロジェクトに興味がある人であれば誰でも参加可
 ・知識レベルがまちまちなので、共通理解のための宇宙事業関連の勉強会も行う

 ではこれらを「どう進めていくか」、であるが、今のところ、メンバーはたったの5人。
進めるとなると人やモノや金などでより多くの資源が必要になる。
というところでKick Offミーティングをしていろいろな人に協力を求めよう、という運びになっているわけではあるが、実際にはどの程度集まるのだろう……。
メイカーフェアで話をして、どういう人に興味を持ってもらえたのかはわかった。
だが、集まってくれた人はリーマン・サットに何を求めているのか、どんなことをしたいと思っているのか、何ができるのか、など具体的なことは未知数だ。

 「とりあえず実際にどんな人が集まるのかを見てみないと何もできないんじゃないか?」という結論に至り、 年明け2015年1月31日(土)に「リーマン・サット(仮)  Kick Offミーティング」を開催することになった。
 Kick Offでやることとしては、 目標や方向性とおおざっぱなスケジュールの確認、 それから衛星を打ち上げるのに必要な概要の共有、 各メンバーの自己紹介、といったところ。

 ものすごく「走りながら考える」感が高い。 

まあでも「Kick Off」なのだから一番始めはこのくらいでいいのかもしれない(と、無理やり自分たちを納得させてみる)。 細かいことは年明け1月末にKick Offをやってから、という結論に至ったところでお開きとなり2014年は終了、2015年は明けてしまった。

 さあーこうなったら腹を括って、想いを形にしていく1年をおもいっきり楽しもう!

2014年11月26日水曜日

Maker Faire Tokyo 2014 出展レポート

「宇宙開発に関してはほとんど素人のサラリーマンたちが集まって2年以内に人工衛星を打ち上げる」

これを聞いた人の大半は「こいつらはバカなんじゃないか」と思うことだろう。何を隠そう、プロジェクトを実際にやっているぼくもその一人である。プロジェクトメンバーたち本人が「これはクレイジー」という思いを抱きながら、20141123日、東京ビッグサイトで行われたメイカーフェアの一角で「リーマンサット・プロジェクト(仮)」のお披露目とキックオフが行われた。

 リーマンサットとは「Salaryman Satellite」の真ん中らへんを抜き出したことが由来で、その名の通りそんじょそこらに転がっている普通のサラリーマンたちで知恵を出し合って、人工衛星を作成、打ち上げまでを一貫して行うことを目的としたプロジェクトだ。そしてこれも冒頭に書いたとおり、この日がキックオフであり、現時点では決まっていることなど何一つない(そもそもお披露目とキックオフが同時に発生すること自体まずおかしい)。出だしからしてこんな状態なのに、本当に2年で衛星を打ち上げるなんてことができるのか、と思わないではいられないのだが、話としては実はそう難しくはない。

 「人工衛星」というと、宇宙ステーションや気象衛星ひまわりのような、国家が扱う、「民間とはほど遠いもの」としてイメージしてしまうが、ぼくらが扱うのは、10cm四方の超小型衛星である。そして、宇宙への打ち上げについてはどこかの機関に委託する。ぼく自身もこのプロジェクトに参加する前は「衛星を打ち上げる」というのはなにやら壮大な手順が必要、つまり「人工衛星を設計・開発」し、「宇宙へ行くためのロケットを製作」し、「打ち上げ」なくてはいけない、のだと思っていたけれど、現在は世界的に宇宙開発が民間の市場に開放され、いくつかの衛星を集めて一つのロケットに相乗りさせてもらうことで、気軽に打ち上げることができるのだ(もちろん、打ち上げ先を探し出すことならびに載せてもらうための手続き、そしてある程度の費用は必要である。ちなみにJAXAだと安くて3400万円程度)。

世間のイメージとしては未だに「宇宙は遠いモノ」として扱われてしまう。日本はおろか、世界の各国で宇宙開発事業費が削られてしまっている風潮もある。しかし、21世紀となった今や、実は宇宙と関わることは手の届かないものではないのだ。ぼくらの大きな目的の一つは、「地球と宇宙の距離を縮める」ことにある。日本では会社ならまだしも、会社でもない個人の集まりが人工衛星を打ち上げたなどという前例は未だない。けれど、「人工衛星の打ち上げ」は、先ほど書いたとおり案外簡単に実現可能なはずである。このプロジェクトを成功させることができれば、民間の宇宙開発にとっても大きな促進力となり、ひいては人と宇宙を近づける一助となり得るのだ。

 とはいえ、実際に日本の民間が衛星を打ち上げた実績などほとんどないし、打ち上げまで漕ぎつけたとしても数百万円の費用はかかる。それに各メンバーは普段は本業である宇宙開発とは異なる仕事を持っている(ちなみにぼくはライター・編集の仕事をしている)。資金も実績もマンパワーもないぼくらが目標を達成するのはとても困難なことだと思う。でも、そこまでしてこのリーマンサット・プロジェクト(仮)を立ち上げたのはなぜなのかと問われれば、それは「宇宙への憧れ」に他ならない。宇宙に行ってみたい、宇宙から青い地球を見てみたい。子供の頃から惹かれてやまない、けれど実際に手を伸ばすには遠い遠い存在である宇宙には、大人になった今でも言われもない魅力がある。メイカーフェアでは来場した方や他の出展者の方たちからも「ずっと宇宙への憧れはあったけれど、全く関わることがないまま年を取ってしまった」「大学時代はロケットの開発や宇宙工学を学んだけれど、就職してからは宇宙との関わりはなくなってしまった」「宇宙に興味はあるけれど何をしてよいか全然分からず、関わる手段をずっと探していた」などなど、ぼくらと同じく宇宙へ憧れている人たちからたくさんの声を聞いた。なにより、ほかならぬぼくらが宇宙に関わりたくてたまらないのである。

 という夢と情熱は一杯の「リーマンサット・プロジェクト(仮)」であるが、現時点では、夢と情熱以外は何もない、といったほうが正しい(「今はどのくらいまで進んでいるんですか?」と聞かれたとき「まだ一つも決まってません」としか言えず、恥を通り越してひたすら開き直るしかなかったというのはここだけの話である)。だが、今はキックオフの段階であり、実績はこれから一段一段、階段を上るようにして作っていけばいいのだ。幸い今回のキックオフで、多くの人が話を聞いてくださったり、賛同してくださったりしたことから、このプロジェクトが社会から興味を持ってもらえる、価値のあるものであることがわかった。もし最終的に失敗したり、上手くいかなったりしたとしても、ぼくらがこのプロジェクトを進めることで、宇宙と人を繋げることに一役買うことができるものであることは確かだと思う。それに会社でのプロジェクトとは違い、リーマンサットで失敗してもリストラにあうことはないのも安心材料の一つだ。「2年で素人集団が人工衛星を打ち上げる」という大風呂敷を広げるだけのキックオフではあったけれど、大言壮語で終わらないためには、そしてぼくらが少しでも宇宙に近づくためには、しっかりと目標を達成しなければならない。


「打ち上げる衛星にどんな価値を載せるのか」これを決めることがぼくらの次の、いや一番目の仕事である。

Maker Faire Tokyo 2014 に出展します!(しました!)

11/23(日)〜24(月)に東京・お台場のビッグサイトで開催される「Maker Faire Tokyo 2014」にリーマンサット・プロジェクト(仮)も出展します!
というか、しました!

ブースにお越しの皆様、お時間をいただき、誠にありがとうございました。
まだまだこれから、のプロジェクトですが、今後にご期待ください!